下請けと協力会社・元請けとの違いは?委託や外注など用語解説

建設会社に勤めていると、「協力会社」「下請け」「元請け」「委託」などたくさんの似たような用語が出てきて、新入社員だと違いがわからなくなってしまいますよね。

しかも「下請け」ってなんだか悪い意味で捉えられている場合もあって、就職や転職市場では「下請けの会社はイヤ」なんて考えている人もいます。

今回は「下請け」の意味や「協力会社」「元請け」「一次請け」「孫請け」「委託」「アウトソーシング」「外注」など似たような用語との違いを解説します。

下請けから元請けへの転職方法も記載しているので、ぜひチェックしてみたください。

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下請けの意味と協力会社・元請け・委託などとの違い

下請けの意味と協力会社・元請け・委託などとの違いは、以下の図を見ればすぐにわかります。

下請けの意味と協力会社・元請け・委託などとの違い

ここからはそれぞれについて、詳しく解説していきましょう。

下請けと協力会社の違い

「下請け」と「協力会社」は、一般的には同じ意味です

ただ「下請け」よりも「協力会社」の方が聞こえがいいため、求人や施工計画など外部に出す書面などでは「協力会社」と使われることの方が多いとされています。

ハッキリ言って元請け建設会社の日常会話の中では「協力会社」なんて使いません

「下請け」もしくは「業者」なんて使い方をします。(下請けと話すときだけ「協力会社さん」なんて呼び方をする人もいますが)

建設現場の新入社員なんかは、使い方がいろいろと違うので混乱してしまうのですが、全て一緒と考えていただいて大丈夫です。

※元請けと上下関係のない委託業者を「協力会社」と呼ぶ場合もあるようです、

下請けと元請けの違い

「元請け」は「下請け」に仕事を発注する業者のことを言います。

発注主である自治体やデベロッパーから直接仕事を請け負う企業で、いわゆるゼネコン(総合建設業者)のことを指します。

発注主にとっては「土木・建築工事をするのにいろんな専門業者集めるのめんどくさいから、もう丸投げでお金払うから全部お願い!」といった具合ですね。

下請けと一次請けとの違い

「一次請け」は一次下請けとも言い、元請け業者から仕事を受注する下請け業者のことです。

専門的な仕事のみこなす会社もあれば、建設工事一式の中でも多くの範囲の仕事を任される会社もあります。

下請けと孫請けとの違い

「孫請け」はいわゆる二次下請けであり、一次請けから仕事を受注する下請け業者のことです。

より小規模で、専門性の高い仕事をこなすことになります。

孫請け(二次下請け)から更に下が、ひ孫請け(三次下請け)と呼ばれ、これが建設業界特有の「重層下請け構造」と呼ばれる仕組みになるのです。

下請けとパートナー会社との違い

「パートナー会社」は「下請け」または「協力企業」と同じ意味です。

これも協力会社と同じく、聞こえがいいように言ってるだけです。

下請けと委託との違い

「委託」は一般的に「下請け」と違う意味で使われます。

  • 下請け:工事の「完成」と「納品」を請け負い、確認を受ける必要がある
  • 委託:業務を行うことを依頼するもので、成果に対して確認を受ける必要がない

具体的には材料を運送したり、印刷してもらったりと、工事の成果物が残らない業務をお願いすることを指します。

下請けと外注との違い

「外注」は自分の会社以外の会社にお仕事を発注することを意味するので、「下請け」「委託」と同じ意味になります。

自分の会社では専門性が足りないという部分を補うために、専門性を持った業者さんに依頼するのです。

下請けとアウトソーシングとの違い

「アウトソーシング」は「外注」と同じ意味です

かっこつけて使ってる人がたまにいますよね。

建設会社では少なく、IT企業なんかに多いかもしれませんね。

下請けのメリットとデメリット

ここでは、下請け会社のメリットとデメリットをご紹介します。

主に元請けと比較して解説していきますね。

下請けのメリット

メリット

下請けのメリットは、元請けよりも管理コストが削減できることにあります。

たとえば仕事を取ってくるための営業費用・広告費用は、元請け業者から仕事をいただけるのでそれほどかかりません。

また専門性の高い会社が多いことから、多くの人材を必要としない利点もあります。

元請けは多くの専門業者を束ねるゼネラルコンサルタントとして、施工管理が非常に複雑な業務となるのも事実です。

このように、元請けに対して下請けはコストがかからない仕組みとなっているのです。

下請けのデメリット

デメリット

下請けのデメリットは、どうしても元請けとの力関係で立場が弱くなってしまうところです。

そもそも下請けに対して元請けは仕事を与えてくれる「お客様」なので、多少理不尽なことを言われても強く言い返せないのが実情です。

ましてや仕事を定期的にくれる「長いお付き合い」を理由に、安く買いたたかれることも日常茶飯事です。

これが一次、二次、三次となっていけば、さらに状況がひどくなっていきます。

発注主から離れるほど分け前も減っていく、いわゆる「重層下請構造」の重大な問題点なのです。

下請け社員はブラックなのか

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下請け会社のデメリットから、どうしても下請け社員はブラックな環境になってしまう立場にあります。

元請けよりも給料は安くなり、圧力がかかることから精神的にも疲れてしまうのです。

ブラックな働き方をしないためにも、いろいろと対策する必要があります。

下請け社員が不利益を被らないようにするためには

下請け社員はどうしても不利益を被るようになってしまいますが、元請け業者から理不尽な扱いを受けていると感じた場合は、法の下に厳粛な対応をすることが可能です。

「下請法」という法律を理解することで、不当な発注や値引き、支払い遅延といった問題を解消することができます

詳しくは公正取引委員会の動画で分かりやすく解説されているので、ぜひともご覧くださいませ。

下請け社員が元請け側へ転職する方法

「もうこんなブラックな環境はイヤだ」と感じた下請けの方は、元請けへの転職も考えましょう

あなたが培った専門的なスキル・経験を武器に、元請け企業への転職は十分可能です。

ただし、元請け企業はほとんどが大企業です。

間違った転職で時間を無駄にしないためにも、リクルートエージェントなどの転職エージェントにサポートしてもらいながら転職活動を進めましょう。

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下請けと協力会社との違いは?まとめ

下請けと協力会社・元請けなどとの違いは理解できたでしょうか?

同じ意味で使われる場合もあれば、明確に上下の関係で使われる場合もあります。

そして元請けと下請けの関係は、必ず上下関係が生まれ、下請けが不利になってしまう可能性が高いです。

下請けから元請けへの転職は十分可能なので、リクルートエージェントなどの転職エージェントにサポートしてもらいながら転職活動を進めましょう。

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