ホワイト施工管理になるなら、建設下請け構造の上流を目指すべきです。
もう少し砕いた言い方をすると、「施工管理としてゆるく働きたいなら、今より大きな会社に転職しましょう」ということです。
今回はなぜそう言えるのか、「建設重層下請け構造の上流を目指すべき理由」を説明していこうと思います。
建設重層下請け構造とは
建設重層下請け構造とは、工事の発注を受けた元請けが、さらにその下請け(1次下請け)に工事を発注し、1次下請けがさらに2次下請けに、さらにその下請け…
と元請けから始まる下請けが何層にも重なって発注される構造のことを言います。
私はこの構造を最初に知った時に、
「いちいち何層も発注しなくても、1社で施工できるようにした方が、コストかからなくてよくない?」
と思ったのですが、実はそうではないのです。
建設業にはたくさん仕事が入ってくる「繁忙期」と仕事のない「閑散期」というものがあって、閑散期にかかる人件費コストなどを考えると、繁忙期に別会社として人を雇って仕事をする方がコストがかからず効率的なのです。
しかも、建設物というものは「とび」「大工」「鉄筋」「電気」などなど専門工事が集結して一つのものを作ります。
専門分野の人が会社に居たとしても、必要な時と必要じゃないときがあるので、使えない場合は雇った意味がなくなってしまうんですね。
ということで、建設重層下請け構造は1つ1つの業者にとってはかなり合理的な構造なのです。
ただしデメリットとして、契約業務など不必要な業務が発生したり、会社間での意思疎通が図れなかったりするので、安全・品質・工程の施工管理にマイナスの影響を及ぼすというところがあります。
業界全体で考えてみると、デメリットの方が大きいので、国土交通省も重層下請け構造の改善に向けて取り組みを行っています
しかし、現状はまだまだ改善に向けて道半ばといった感じですね。
ゼネコンの施工管理は労働時間が長い職種のイメージがありますが、ホワイト企業はあるのでしょうか。この記事では1万4,000人以上の口コミを集めて、ゼネコン104社のガチのホワイトランキングをつけていますので、ぜひチェックしてください。
建設重層下請け構造の上流を目指すべき理由
上記の構造を踏まえて、施工管理でもホワイトに働きたいなら、建設重層下請け構造の上流を目指すべき理由をご紹介します。
重層下請け構造の建設業は上流からピンハネされていく
重層下請け構造の建設業は上流からピンハネされていきます。
ちょっと悪い言い方ですが、事実です。
たとえば、元請けの見積もり10億円の建築工事があったとしましょう。
元請けは10億円の利益のうち9億円で1次下請けに発注するため、1億円分はピンハネして利益として得られます。
1次下請けが2次下請けに発注する時も同じように、残った9億円のうち9000万をピンハネして…
なんてことが続くのです。
下請けが下流になればなるほど、「ここは厳しいでしょ…」という案件が増えていき、「何とかしろ」とされて金額的に割に合わない仕事になっていくのです。
そして発注主はいったい何に対してこんなにお金がかかるのかわからなくなってきます。
元請けに近い上流の大手ゼネコンは同じ労働条件であっても儲かる構造となっているので、金銭的にかなり有利です。
ゼネコンの現場監督が結婚できないと言われています。この記事では建設業で働いていた筆者が、ゼネコン現場監督が結婚できないと言われる理由6つをお伝えします。また、実際に現場監督は結婚しやすい職業です。実際に結婚した7ケースも合わせて紹介します。
上流は従業員数が多く、仕事が分散される
従業員数の多い上流のゼネコンは、仕事が分散されるというメリットがあります。
たとえば従業員数50人の会社でひとつの工事をやるのと、従業員100人の会社でひとつの工事をやるのとを比べてみてください。
50人の会社の従業員は、100人の会社の従業員の倍の仕事量をこなさなければなりません。
自分が仕事をできなくなったときに代わりにやってもらったりもできますし、とにかく従業員数が多いことは、「労働時間を少なくする」という面でかなり有利です。
下流の方が沢山のことを経験できるというメリットもあると思いきや、やっていることは単純労働や事務作業なので、中身のない労働時間が増えるだけである。とも言えます。
この記事では、1級土木施工管理技士を1発で楽勝合格した私の勉強方法をお教えししています。管理技術者を担える・大きな工事の責任者になれる・給与査定や転職にも有利な資格です。1級土木施工管理技士を取りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
上流は働き方改革への取り組みが早い
上流、大手企業は働き方改革への取り組みが早いです。
政府主導の働き方改革関連法案により、社会的責任の大きな企業は一斉に時代の流れに追いつかなければなりません。
建設業最大手のスーパーゼネコンであれば、働き方改革はすでに始まっています。
大林組はiPadを大量に導入して記帳作業などの簡略化を行っていますし、鹿島建設はロボットを活用した現場作業の省力化を進めています。
この働き方改革の流れは、上流から下流になるほど影響が小さいとされています。
なので下請けになればなるほど働き方改革の影響は遅くなり、ブラックな労働環境が続く可能性が高いです。
「建設業界でキャリアアップしたいけど、どの資格を取得すればいいのかわからない」とお悩みではないでしょうか。この記事では、現役の建設関係技術者に聞いた「役に立つ資格ランキング」を紹介しています。(土木・建築分野別)あなたのキャリアアップにぜひ役立ててください。
ホワイト施工管理になるなら上流に転職しよう
施工管理としてホワイトな企業で働きたいのであれば、建設重層下請け構造の上流を目指すべきです。
簡単に言えば、今より大きい会社に勤めましょう。ということですね。
なぜそう言えるのかというと、
- 上流であればあるほど請負金額をピンハネできる
- 上流であればあるほど従業員数が多く、仕事が分散される
- 上流であればあるほど働き方改革への取り組みが早い
からです。
転職したい方は、しっかりと資格を取って、転職エージェントのサポートを受けて転職活動を始めることをオススメします。
履歴書の添削や面接の練習、会社の情報など、数多くのサポートを受けられるので転職成功確率がグッと上がるからです。
あなたも上流を目指して、ホワイトな施工管理を目指しましょう。
ゼネコンの施工管理は労働時間が長い職種のイメージがありますが、ホワイト企業はあるのでしょうか。この記事では1万4,000人以上の口コミを集めて、ゼネコン104社のガチのホワイトランキングをつけていますので、ぜひチェックしてください。
施工管理の方へ。つらい仕事に上がらない給料等、現状に不満はありませんか。この記事では転職したい施工管理の方へ、転職エージェント・転職サイトのおすすめ15選をご紹介します。あなたに合う会社で、よりよい働き方・キャリアアップを目指してください。